「この物件、儲かりますか?」
24年間、現場で何度この質問を受けたか、数えきれません。
私はいつも、こう答えます。 「『儲かる』かどうかは、あなたがどう捉えるか次第です」
不動産という世界では、数字がすべてのように見えます。価格、利回り、坪単価、築年数。しかし、私が現場で学んだのは、数字だけでは資産の価値は測れないということです。
ある日、港区の一角で、築40年を超える小さな木造アパートを見ました。数字では、建替え価値しかないように見えました。しかし、そこには、戦後間もなく建てられ、4代にわたって住み継がれてきた家がありました。庭には、初代の植えた梅の木が、今も毎年春に花を咲かせています。
「儲かる物件」ではなく、「本当に価値のある資産」を見極める目利き。それが、私たち不動産プロフェッショナルの本当の仕事だと私は考えています。
現場の空気を読む。街の息吹を感じる。建物の魂を見る。 それには、机の上では得られない経験が必要です。
これからも、数字の向こう側にある「真実」を追い続けたいと思います。
